2007年8月30日木曜日

デザインによる「EMPTINESS」の世界

なんとなく手にした本、原研哉さん著書「デザインのデザイン」。

そこで、無印良品の一枚のポスターと出会う。

コンセプトは「EMPTINESS(エンプティネス)」。
原さんの説明では”「からっぽの器」という意味で、コミュニケーションの際にこちらからメッセージを発信するのではなく、相手が持っているメッセージを受け止め、それを受け入れていくという考え方”だそうです。

それを表現するために完璧な地平線を目指し、南米ボリビアの「ウユニ」の塩湖へ。
そこには四国の半分ぐらいの面積のまったいらで真っ白な塩湖が。
そこで5日間の撮影の結果がポスターが出来上がった。

たった一枚のポスター。確かに写真には、ある瞬間が収められている。しかし、人の記憶にその映像が埋め込まれると永遠の時をえることができる。
後は、妄想をするタイミングで記憶に収められた地平線の景色を料理するだけである。
どこにも逃げ場のないこの地平線にどう向き合うかは自由である。
たぶんそれが「EMPTINESS」なのだろう。
私は、精神を溶け込ますキャンパスとしてこのポスターの映像を使いたいと思う。

本の中では、水のエリアの鏡面の地空も印象的だが、どこか夢のように美しすぎて大地のリアリティがない、と記述され「白い台地に雲ひとつない青空」のポスターしか掲載されていなかったが、実際は鏡面のポスターも存在しているみたいだ。

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