2007年11月19日月曜日

中西信洋氏のレイヤー・ドローイング

六本木ヒルズの森美術館で開催されている「六本木クロッシング2007:未来への脈動」展を訪問。
今見せるべき36作家を厳選して展示していることもあり、刺激ある作品が数多くとてもエンジョイできた。

特に脱帽したのは、中西信洋氏の「レイヤー・ドローイング」
展示内容は、六本木ヒルズの展望台から、一定の時間間隔で夜明けを撮影し、それらのフィルムを曲線を描きながら等間隔で並べ、重ねて見せる作品と、35ミリのポジフィルムに、透明な背景で時間をずらして写し取った針金やお茶の葉、ワゴムや胡椒やアイスクリームや焼跡を、それぞれ24枚ずつ重ねた作品。

一枚一枚の写真は切り取られた時間であり、それを並べることにより、時間が過去から未来へとつながっているととらえることができる。あるいは、並べられた作品を横から見ることにより、一瞬一瞬は独立した時間であり、脳が勝手に記憶を並べただけであり、存在するのが今一瞬だけともとらえることができる。
この時間に対する表現は色々考えさせられることがあり、心底感動した。

それと、モノづくり大好き人間としては、榎忠氏の作品「RPM-1200」が好きだ。
旋盤で磨き上げられた無数のスクラップの機械部品で構成される造形物。増殖していく未来都市、あるいは生命の脈動を想像させる作品。
この作品とともに日本のモノづくりを応援したい。