2008年3月23日日曜日

飽くなき探究心を持つマティス

ニースの美術館訪問、最後を飾るのはマティス美術館
シミエの丘にあるその美術館は一見豪華な装飾が施された建物に思える。
しかし、近づいてみると窓の周りはだまし絵であることが分かる。
そんな美術館の中には、マティスがその生涯で探求した美術作品の数々展示されている。

コレクションは絵画、デッサン、彫刻とバラエティーに富、またその技法も年代を重ねるごとに移り変わる。
その様子から、マティスの思考回路を垣間見ることができとても面白い空間であった。


その中で、特に目を引いたのがグアッシュ切り絵の作品。
「青い裸婦Ⅳ」「萱の中の浴女」

"青と白のコントラスト"そして"切り絵としての2次元空間に対する立体感"により感じる人の存在感。
たぶん、マティスがたどり着いた美に対するひとつの独特な答えなのであろう。

ある対象から受けた感動を直接的に表現し伝えるためには、その感動を一旦自分の中に取り込み単純化、純粋化することが一つの答えなのかもしれない。

その時、目に映る外見的な世界ではなく、内面的、概念的な世界へ自分の審美眼を向ける必要があるのだろう。

マティスの作品に触れるとにより、複雑化する世界から本質や真実を抽出することの大変さと重要性を再認識させらると思う。
(ちなみに、仕事でも本質を捉えることが重要であることは変わらないだろう)