2007年7月30日月曜日

ピサロが描く自然

仕事でアメリカのミルウォーキーにきているので、
週末を利用してミルウォーキー美術館を訪問。

訪れてみて、建物が余りにも近代的かつ洗練されていて驚いた。
外壁も、内壁も白一色。張り巡らされたガラスから外光が入り込み、いるだけで神経が研ぎ澄まされていく気がした。

今行われているエキシビションはピサロ展。
正直、個人的には印象派はあまり好みではないが、なんとなく白い壁に飾られたピサロの絵に囲まれたい気分になり中へ。

ピサロはモネ、ルノワールなどと共にフランス郊外の風景画を多く描いた画家。
今回の展示は、場所とテーマに分けて展示されていた。

展示されている絵画を一枚一枚見ている中で印象に残ったのは"ピサロの雲の描き方"
特に気に入ったのこ、この2作品。
左:Jallais Hill, Pontoise. 1867
右:Strollers on a Country Road, La Varenne-Saint-Hilaire .1864
近くで見ても、今にも動き出しそうな自然の息遣いが感じられた。
今は同じ場所はどうなっているのか?
もし同じ場所で、のどかな風景と流れ行く雲が見られたら素敵だな、そんなことを切に願いたくなる作品でした。

2007年7月20日金曜日

円周率の音楽

これは芸術だ。

0から9の数字それぞれを音符と見立て、円周率を演奏するサイトがある。

ピアノソロバージョン
ピアノ、バス、フルートバージョン

他にも色々刺激ある情報があるので、インスピレーションが必要な時にどうぞ。
「primarily ART STUFF」

2007年7月18日水曜日

今の自分はどう映っているのか

レンブラントという画家は、光と闇を巧みに描いた画家として有名だが(代表作:「夜警」)、生涯にわたり自画像を50枚以上描いた画家としても有名である。

そんな彼の自画像を見ると、顔という視覚的な情報以上の何か、思いや野望、あるいは悲しみなどが見えてくる。

下記HPでレンブラントの23歳から63歳までの自画像が一覧で見ることが出来る。

ちなみに、あと数年もすると私も34歳になる。
レンブラント34歳の顔は、


である。
私はその時、どんな表情をしているのだろうと。。。つい考えてしまう。
とりあえず、現状を知るために、現在の自画像をこっそり描いて見たいと思う。
ちなみに、名古屋ボストン美術館で、9月8日~12月9日の間、
が開催日される。 今から楽しみである。

2007年7月16日月曜日

写真に納まる決定的瞬間


東京国立近代美術館で開催されている、
アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌
"De qui s'agit-il?" Retrospective de Henri Cartier-Bresson
を訪問。

雑誌Penの7/1号(No.201)で特集として取り上げられたこともあり、大変の人だかりだった。

ちなみに、アンリ・カルティエ=ブレッソンとは20世紀を代表する写真家の1人。
1947年にロバート・キャパ、デヴィッド・シーモア、ウィリアム・ヴァンダイヴァー、ジョージ・ロジャーらとともに、写真家の権利と自由を守り、新聞社や出版社と対等に仕事をするため「マグナム・フォト」を設立。
1952年に発売した写真集『決定的瞬間』で有名である。
ちなみに、青年時代はシュルレアリスム影響を受け、画家志望であった。

彼の写真の素晴らしさは、その「完璧な構図」と、瞬間に対する「感性」、
だそうです。(※展示解説の受け売りです)


確かに、登場する建物や人、そして影までもがキチンとした構成になっている。
たぶん、黄金比などバランスの取れた構図になっているのだと思う。
絵や写真をやるのであれば、黄金比などの基礎はやはり重要なのだろう。

さて、写真はアンリ・カルティエ=ブレッソンが1930年代から1970年代?の間に世界中を旅して撮影された写真が約450作品公開されていた。

私が今まで訪れた街の写真が何枚もあり、写真を見るといつの間にか過去にタイムスリップした気になる。
特にヨーロッパの町並みや風景は、私が訪れたここ数年と余り大きく変わっていないと思う。
変わったのは唯一そこに登場する人、特に"人の表情"が変わった気がした。
写真ではどの顔にも生きることに一生懸命な表情が並んでいて、無邪気に笑う子供の写真もあるが、大人顔負けで精悍な顔つきの子供もたくさんいた。

もの余りの今、生きるということの大変さ実感する機会が少なくなったのか、街ですれ違う表情はやはりどこか力が足りない。
世の中には変わるべきものと、変わるべきでないものがあるはずだが、現代人の表情には、変わるべきでないものが変わり、大切な何かが失われている感じがする。

変わるべきでないもののひとつ、"生きる力"を感じたいのであれば、是非、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真に触れてみよう。

ちなみに、上に載せた写真は、私が一番気に入ったアンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間です。
1940年代?のニューヨークでの一枚。

2007年7月15日日曜日

訪問予定リスト

今日見たテレビ番組で一度は訪れたい場所が一つ増えたのでブログに書く。
(物忘れが激しいので記憶のアウトソース)

その場所とは、
・メキシコのユカタン半島のセノーテ
透明度が100m以上としてダイビングスポットとして有名な場所。
必ず、訪れます。

ちなみに、当ブログの副題の「ハメリンプール」も訪れる予定の場所。

その他は、「インカ帝国とマチュピチュ」「現存する最古の木造教会、ウルネス教会(ノルウェー)」です。

忙しいな人生は。。。


後、マイナーだが「環境美術」で有名なフィレンツェから約35キロ離れたところにある「チェレ農園-ゴーリ・コレクション」も訪れる予定だ。(※4月中旬から9月のみ公開)

2007年7月14日土曜日

ピクトさんの再評価

なんとなく立ち寄った本屋で、一冊の本が目に入った。

「ピクトさんの本」


どうしても気になったので手にとって開いてみると、そこには世界中で活躍しているピクトさんが紹介されていた。

ピクトさんとは"ピクトグラム(Pictogram)"の略で、いわゆる「絵文字」「絵単語」などと呼ばれ、何らかの情報や注意を示すために表示されるサインのことである。
一番有名どころは、緑色に光る非常口のピクトさんかな!?

目次を見ると一目瞭然だが、

目次:ピクトさんの分類
1 転倒系
2 頭打ち系
3 落下系
4 かけこみ系
5 つまずき系
6 感電系
7 衝突系
8 はさまれ系
9 労働系
10 黒ピクトさん


本当にお疲れ様です。

ちなみに、日本ピクトさん学会なるものが存在するので、訪れてみるとあなたもピクトさんにもう夢中。
何気なく目の前を通り過ぎていたものが、急に意思の中に入ってくるようになった、
インパクトのある本でした。

是非、手にとって見てください。

2007年7月8日日曜日

色彩の神秘

6月は仕事で忙殺された。

仕事を忘れてのびのびと趣味の世界に没頭したのは、国立西洋美術館で開催されている「パルマ―イタリア美術、もう一つの都」だけである。
やっと落ち着いたので、「パルマ―イタリア美術、もう一つの都」のことを書こうとしたら、肝心の展示品リストが家の中で行方不明。見つかったらゆっくり書きたいと思う。

今日は、昨日訪れた千葉市美術館で開催されている「シャガール展」について書きたい。

個人的なシャガールのイメージは真実、そして愛を追い求めた画家。

20世紀前半の作品はキュビズムなどの影響をうけているが、どんどんシャガール独自の世界観を鮮やかな色彩と共に作り出していった画家だと思う。


シャガールが描く絵の色は、シャガールの心、夢や希望、絶望がそのまま反映されている。
そのため、絵を見ているだけでその不思議な色彩感覚の虜にされてしまう。

今回の展示で、一番目を引いた色は、「青い恋人たち」の深い青。
今まで見た青色の中で一番、落ち着いた、またどこか悲しい色をしており、心に深い沈黙をもたらす色で描かれた作品だと思う。
(ちなみに、「青い恋人たち」は宇都宮美術館所蔵です。)





あとは、

「雪の道」日本テレビ放送網所蔵、

「回想」AOKIオールディンス所蔵、

「緑、赤、青の恋人たち(街の上で)」宇都宮美術館所蔵

の作品の色使いが心に残りました。

人間は肌色、影は黒、町の壁はグレーなど、色の固定概念を拭い去り、様々な色を色鮮やかにキャンパスに写すシャガールの絵は、自分の凝り固まった頭をやわらかくしてくれる気がします。



それと、同時開催していた近代日本が展から一点。

松林桂月さんの「春宵花影」がとっても素敵でした。(画像を探しましたがネットでは見つからず断念。)