2007年7月16日月曜日

写真に納まる決定的瞬間


東京国立近代美術館で開催されている、
アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌
"De qui s'agit-il?" Retrospective de Henri Cartier-Bresson
を訪問。

雑誌Penの7/1号(No.201)で特集として取り上げられたこともあり、大変の人だかりだった。

ちなみに、アンリ・カルティエ=ブレッソンとは20世紀を代表する写真家の1人。
1947年にロバート・キャパ、デヴィッド・シーモア、ウィリアム・ヴァンダイヴァー、ジョージ・ロジャーらとともに、写真家の権利と自由を守り、新聞社や出版社と対等に仕事をするため「マグナム・フォト」を設立。
1952年に発売した写真集『決定的瞬間』で有名である。
ちなみに、青年時代はシュルレアリスム影響を受け、画家志望であった。

彼の写真の素晴らしさは、その「完璧な構図」と、瞬間に対する「感性」、
だそうです。(※展示解説の受け売りです)


確かに、登場する建物や人、そして影までもがキチンとした構成になっている。
たぶん、黄金比などバランスの取れた構図になっているのだと思う。
絵や写真をやるのであれば、黄金比などの基礎はやはり重要なのだろう。

さて、写真はアンリ・カルティエ=ブレッソンが1930年代から1970年代?の間に世界中を旅して撮影された写真が約450作品公開されていた。

私が今まで訪れた街の写真が何枚もあり、写真を見るといつの間にか過去にタイムスリップした気になる。
特にヨーロッパの町並みや風景は、私が訪れたここ数年と余り大きく変わっていないと思う。
変わったのは唯一そこに登場する人、特に"人の表情"が変わった気がした。
写真ではどの顔にも生きることに一生懸命な表情が並んでいて、無邪気に笑う子供の写真もあるが、大人顔負けで精悍な顔つきの子供もたくさんいた。

もの余りの今、生きるということの大変さ実感する機会が少なくなったのか、街ですれ違う表情はやはりどこか力が足りない。
世の中には変わるべきものと、変わるべきでないものがあるはずだが、現代人の表情には、変わるべきでないものが変わり、大切な何かが失われている感じがする。

変わるべきでないもののひとつ、"生きる力"を感じたいのであれば、是非、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真に触れてみよう。

ちなみに、上に載せた写真は、私が一番気に入ったアンリ・カルティエ=ブレッソンの決定的瞬間です。
1940年代?のニューヨークでの一枚。

0 件のコメント: