2007年8月16日木曜日

イブ・タンギーの世界

シカゴといえば、シアーズタワーではなくシカゴ美術館。
ということで、シカゴに訪れたタイミングでシカゴ美術館を訪問。素晴らし作品の数々と出会った。

まずは、イブ・タンギーの作品紹介(Untitled,1940)。
彼の作品は無条件に好きだ。
個人的な感覚(解釈)だが、彼が描く絵画には時間の流れが感じられない。
荒涼とした大地か砂漠かよくわからない空間に、無機物か有機物だか得体の知れないものが存在し、それと、何を暗示しているかわからない直線が存在している。

その世界を見ているのが心地いいのだ。
自分の頭の中にある知識と経験という記憶をイブ・タンギーの描いたキャンバスに重ねるのはとっても 刺激的である。
なんだが、自分の脳の中に新たな世界が作り出されていく感じだ。

今回の出会いでは、作品の中の直線がとても気になった。
なぜかというと、飛行機に乗っているときにアメリカの大地を見ると、道路、建物など人工的なものには直線が存在するが、河川、大地など自然的なものは曲線しか見当たらないのが気になった。雲の上から見ると、人間が地球に、直線的な落書や、いたずらをしているように見える。
もし違う生物が地球を支配したらどうなるだろう?直線は消え去るのだろうか?そんなことを考えていたため、"直線=人間活動の象徴"に思え、直線に敏感になっていたのだ。
(ちなみに、鉛筆で風景画を描く時、建物などの人工物を描く時、直線を利用することが一般的)

今回は、絵の中の直線に人工的なにおいを感じた。
これは超現実における人間の活動軌跡なのではないだろうか?
そんなことを考えながらシュルレアリスティックな世界に思いを巡らせた。

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